座ってできる!目の疲れや不快感を和らげる簡単運動
座ったままできる!目の疲れや不快感を和らげる簡単運動
日々の生活で、スマートフォンやテレビを見たり、本を読んだりする機会は多いかと思います。年齢を重ねるとともに、目の疲れやかすみ、乾きといった不快感を感じやすくなる方もいらっしゃるかもしれません。このような目の不調は、視界をぼやけさせたり、集中力を低下させたりと、日常生活に影響を与えることがあります。
目の疲れは、目の周りの筋肉が緊張したり、血行が悪くなったりすることで起こりやすくなります。座ったままできる簡単な目の運動は、これらの緊張を和らげ、目の周りの血行を促進し、目の不快感を軽減するのに役立つと考えられています。リハビリテーションの視点からも、全身の機能維持と同様に、目の周りの細やかな機能にも意識を向けることは重要です。
ここでは、椅子に座ったまま安全に行える、目の疲れや不快感を和らげるための簡単な運動をいくつかご紹介します。ご自身の体調や目の状態に合わせて、無理のない範囲で取り組んでみてください。
運動を行う上での注意点
- 運動中に痛みや強い不快感を感じた場合は、すぐに中止してください。
- 体調が優れない時は無理に行わず、休息をとりましょう。
- 眼鏡やコンタクトレンズを使用している場合は、医師や専門家にご相談の上、着用したままで行うか、外して行うかを判断してください。一般的には、普段見ている状態で行うことが多いですが、種類によっては外した方が良い場合もあります。
- 呼吸を止めず、リラックスして行いましょう。
- 運動後は、目を休ませる時間を取りましょう。
目の疲れを和らげる簡単運動
ご紹介する運動は、眼球を動かす外眼筋(がいがんきん)の緊張を和らげたり、目の周りの血行を促したりすることを目的としています。
1. 眼球の上下運動
視線を上下に動かすことで、目の上下の筋肉を動かします。
- 椅子に深く座り、背筋を軽く伸ばします。頭は動かさず、正面を向いたままにします。
- まずは、ゆっくりと視線を天井に向かって上げます。できるだけ遠くを見るように意識します。
- 次に、ゆっくりと視線を床に向かって下げます。これもできるだけ下を見るように意識します。
- この上下の動きを、ゆっくりと5回繰り返します。
期待される効果: 上下方向の眼球運動に関わる筋肉の柔軟性を保ち、視線の移動をスムーズにする助けとなります。
2. 眼球の左右運動
視線を左右に動かすことで、目の左右の筋肉を動かします。
- 手順1、と同様に椅子に座り、頭は正面を向いたままにします。
- ゆっくりと視線を右に向かって動かします。できるだけ横を見るように意識します。
- 次に、ゆっくりと視線を左に向かって動かします。これもできるだけ横を見るように意識します。
- この左右の動きを、ゆっくりと5回繰り返します。
期待される効果: 左右方向の眼球運動に関わる筋肉の柔軟性を保ち、物の追視などをしやすくする助けとなります。
3. 眼球の斜め運動(右上〜左下、左上〜右下)
斜め方向に視線を動かすことで、複数の筋肉を連動させて動かします。
- 椅子に座り、頭は正面を向いたままにします。
- ゆっくりと視線を右斜め上(天井の右上隅を見るように)に動かします。
- 次に、ゆっくりと視線を左斜め下(床の左下隅を見るように)に動かします。
- この斜めの動きを、ゆっくりと3回繰り返します。
- 続いて、視線を左斜め上(天井の左上隅を見るように)に動かします。
- 次に、ゆっくりと視線を右斜め下(床の右下隅を見るように)に動かします。
- この逆方向の斜めの動きを、ゆっくりと3回繰り返します。
期待される効果: 様々な方向への視線移動に必要な眼筋の協調性を養うことに役立ちます。
4. 眼球回し運動
眼球を円を描くように動かし、眼筋全体をバランス良く使います。
- 椅子に座り、頭は正面を向いたままにします。
- ゆっくりと視線を時計回りに大きく円を描くように動かします。上→右→下→左→上、というように、できるだけ滑らかに動かすことを意識します。
- これを3回繰り返します。
- 次に、反時計回りに同様に3回繰り返します。
期待される効果: 眼筋全体を使い、可動域を広げることに役立ちます。滑らかな眼球運動を促します。
5. 遠近を見る運動(ピント調節運動)
ピントを合わせる眼の調節機能を刺激します。
- 椅子に座り、正面に何か目標物(指でも、近くの物でも構いません)を用意します。
- まずは、目の前の目標物にピントを合わせます。
- 次に、その目標物の向こうにある、できるだけ遠くの景色や物にピントを合わせ直します。
- この近く⇔遠くへのピント合わせを、ゆっくりと5回程度繰り返します。
期待される効果: ピントを合わせる調節機能を担う毛様体筋(もうようたいきん)の働きをサポートし、眼の疲労軽減に役立つ可能性があります。
6. 目の周りのマッサージ
目の周りの筋肉の緊張を和らげ、血行を促進します。
- 目を閉じるか、または開けたままでも構いません。
- 人差し指や中指の腹を使い、眉毛の下の骨のくぼみ、目の下の骨の上を、内側から外側へ向かって優しく押したり、撫でたりします。
- こめかみも優しく円を描くようにマッサージします。
- 目の上(眉毛の上)も同様に、内側から外側へ優しくマッサージします。
- 無理な力で行わず、気持ち良いと感じる強さで行ってください。
期待される効果: 目の周りの筋肉の緊張を和らげ、リラックス効果や血行促進が期待できます。
継続のためのヒント
これらの目の運動は、一度に行った方が効果的ですが、一つずつでも、休憩時間やテレビを見ながらなど、気づいた時に気軽に行うことができます。毎日続けることで、目の疲れが和らぎ、視界がスッキリするのを実感できるようになるかもしれません。
また、意識的にまばたきの回数を増やしたり、遠くの景色を眺める時間を作ったりすることも、目の健康維持に役立ちます。暖めたタオルを目の上に乗せて、目の周りを温めるのも心地よく、リラックス効果が期待できます。
目の不調が続く場合や、急な変化があった場合は、自己判断せず必ず医療機関を受診してください。ご紹介した運動は、あくまで目の健康維持や疲労軽減をサポートするものであり、病気の治療や改善を保証するものではありません。専門的なアドバイスが必要な場合は、眼科医にご相談ください。
自宅で安全に、できることから少しずつ取り組んで、快適な視界を保ち、イキイキとした毎日を送りましょう。