座ってできる!シニアフィットネス

座ってできる!左右のバランスを整える簡単運動

Tags: バランス, 座位運動, シニアフィットネス, 転倒予防, 体幹安定

座って行う左右バランス運動の重要性

自宅で安全に体を動かしたいシニアの皆様へ。今回は、椅子に座ったままできる、左右のバランス感覚を整えるための簡単運動をご紹介します。バランス能力は、立ち上がりや歩行といった日常生活動作を安全に行うために非常に大切です。特に、身体機能に不安がある方や、転倒への不安を感じやすい方にとって、座位でのバランス練習は、負担が少なく取り組みやすい方法と言えます。

座位でのバランス運動は、不安定な姿勢に耐えるのではなく、安定した土台の上で体の使い方や重心移動を学ぶことに重点を置きます。これにより、立ち上がったり歩いたりする際に必要となる、体の軸の感覚や、左右の安定性を養うことができます。専門家の視点では、安全な環境下でのバランス練習は、転倒リスクを低減するためのリハビリテーションにおいて基礎となる要素の一つです。

この運動を通して、ご自身の体の中心を感じ、左右への体重移動や体幹の動きをコントロールする感覚を養うことで、日常生活での安定性向上を目指しましょう。

座ってできる!左右のバランスを整える簡単運動

ご紹介する運動は、すべて安定した椅子に深く腰掛けて行います。転倒を防ぐため、背もたれのある、動かない椅子をご使用ください。床が滑りやすい場合は、滑り止めマットなどを敷くとより安全です。運動中に痛みを感じた場合は、すぐに中止してください。

1. 座位での左右重心移動

この運動は、お尻の左右への体重移動を感じ、骨盤周りの安定性と連動性を高めることを目的とします。

運動方法:

  1. 椅子に深く腰掛け、両足を床にしっかりとつけます。足幅は腰幅程度に開きます。手は太ももの上か、椅子の座面を軽く支えても構いません。
  2. 背筋を軽く伸ばし、リラックスした姿勢をとります。
  3. 息を吐きながら、ゆっくりと体(骨盤)を右側に傾け、右のお尻に体重が乗るのを感じます。左のお尻が少し浮くか、床への圧力が弱まるのを感じるかもしれません。
  4. 息を吸いながら、ゆっくりと元の中心の位置に戻ります。
  5. 次に息を吐きながら、ゆっくりと体(骨盤)を左側に傾け、左のお尻に体重が乗るのを感じます。
  6. 息を吸いながら、ゆっくりと元の中心の位置に戻ります。
  7. この左右への重心移動を、呼吸に合わせてゆっくりと繰り返します。

回数の目安: 左右それぞれ5回から10回程度。

期待される効果: 骨盤周辺の筋肉の活性化、お尻への荷重感覚の向上、体幹の安定性向上、立ち上がり時の重心移動の準備。

難易度の調整: 動きの幅を小さくする、片手で椅子の座面をしっかりと支えながら行うことで、難易度を下げることができます。

2. 座位での体幹側屈(体を横に倒す運動)

この運動は、体幹の側面の筋肉(腹斜筋など)を使い、座位でのバランスを保ちながら体を横に倒す能力を高めることを目的とします。

運動方法:

  1. 椅子に深く腰掛け、両足を床にしっかりとつけます。手は太ももの上か、椅子の座面を軽く支えます。
  2. 背筋を軽く伸ばし、視線は正面に向けます。
  3. 息を吐きながら、右手を椅子の座面に沿わせるように下へ滑らせながら、ゆっくりと体幹を右側に倒します。左側の体側が伸びるのを感じます。体は前に倒れないように注意します。
  4. 息を吸いながら、体幹を起こしてゆっくりと元の位置に戻ります。
  5. 次に息を吐きながら、左手を椅子の座面に沿わせながら、ゆっくりと体幹を左側に倒します。右側の体側が伸びるのを感じます。
  6. 息を吸いながら、体幹を起こしてゆっくりと元の位置に戻ります。
  7. この左右への側屈を、呼吸に合わせてゆっくりと繰り返します。

回数の目安: 左右それぞれ5回から10回程度。

期待される効果: 体幹側面の筋力維持・向上、体幹の柔軟性向上、座位でのバランス保持能力の向上、姿勢の改善。

難易度の調整: 倒す角度を浅くする、両手でしっかりと椅子の座面を支えながら行うことで、難易度を下げることができます。

安全に運動を行うための注意点

継続が力になります

ご紹介した左右のバランス運動は、地味に感じるかもしれませんが、継続することで確実に体の変化を感じられるでしょう。特に、立ち上がりや歩行時のふらつきが気になる方にとって、座位での安全な練習は自信に繋がります。

リハビリテーションの考え方に基づけば、小さな動きの積み重ねが、やがて大きな変化をもたらします。焦らず、ご自身の体の声に耳を傾けながら、毎日少しずつでも運動を続けてみてください。もし、運動方法に不安がある場合や、特定の症状がある場合は、専門家(医師や理学療法士など)に相談することをおすすめします。

ご自宅での運動が、安全で快適な生活の一助となれば幸いです。