座ってできる!笑顔とイキイキを保つ簡単表情筋フィットネス
顔の筋肉、いわゆる表情筋は、私たちが感情を表現したり、食事をしたり、話したりするために非常に重要な役割を果たしています。年齢を重ねると、体の他の筋肉と同様に、表情筋も衰えやすくなることがあります。これにより、顔の表情が乏しくなったり、口周りの機能に影響が出たりする可能性も考えられます。
座ったままでも安全かつ効果的に表情筋を動かすフィットネスは、顔全体の血行を促進し、イキイキとした表情を保つサポートになります。また、リフレッシュ効果や、会話、食事、嚥下(えんげ)に関わる機能の維持にもつながる可能性があります。
この解説では、椅子などに座ってできる簡単な表情筋フィットネスをご紹介します。無理のない範囲で、毎日少しずつ取り組んでみましょう。
座って行う表情筋フィットネスの基本姿勢と注意点
- 背もたれのある椅子に深く腰かけ、姿勢を正します。足裏は床につけ、安定した姿勢を保ちましょう。
- 運動中は呼吸を止めず、ゆったりとしたペースで行います。
- 痛みや不快感がある場合は、すぐに中止してください。
- 清潔な手で行い、顔に過度な刺激を与えないように優しく行います。
- 可能であれば、鏡を見ながら行うと、筋肉の動きを確認しやすくなります。
簡単表情筋フィットネスの紹介
専門家の視点では、顔の筋肉は非常に小さく繊細です。そのため、大きな動きや強い力で行うよりも、意識してゆっくりと動かすことが大切です。
1. 目を大きく開ける・閉じる運動
- 方法:
- 椅子に座り、リラックスします。
- 目をギュッと強く閉じます。5秒程度キープします。
- ゆっくりと目を開き、今度は目を見開くように大きく開けます。5秒程度キープします。
- これを5回繰り返します。
- 期待される効果: 目の周りの眼輪筋(がんりんきん)や眼瞼挙筋(がんけんきょきん)に働きかけます。目の周りの血行促進につながり、パッチリとした印象を保つサポートになります。
2. 口を「うー」「いー」と動かす運動
- 方法:
- 椅子に座り、リラックスします。
- 口をすぼめて前に突き出すように「うー」の形を作ります。頬が少し凹むのを感じながら5秒程度キープします。
- 口角を横に引き上げるように「いー」の形を作ります。歯が見えるくらい大きく横に広げ、5秒程度キープします。
- これを交互に5回繰り返します。
- 期待される効果: 口の周りの口輪筋(こうりんきん)や、頬の頬筋(きょうきん)に働きかけます。口元のたるみを防ぐサポートや、滑舌の改善につながる可能性があります。リハビリテーションの考え方に基づいたアプローチの一つとして、口周りの機能維持にも着目されます。
3. 頬を膨らませる・凹ませる運動
- 方法:
- 椅子に座り、リラックスします。
- 左右の頬を同時に、または片方ずつ、風船のように大きく膨らませます。そのまま5秒程度キープします。
- 次に、頬を思い切り吸い込み、凹ませます。口を閉じたまま行うのがポイントです。5秒程度キープします。
- これを5回繰り返します。
- 期待される効果: 頬筋や口輪筋、笑筋(しょうきん)などに働きかけます。頬の筋力維持を助け、ハリのある印象を保つサポートになります。
4. 舌を動かす運動
- 方法:
- 椅子に座り、リラックスします。
- 口を閉じたまま、舌で歯茎の外側をなぞるように、口の中で円を描くようにゆっくりと回します。左右それぞれ5回ずつ行います。
- 次に、口を軽く開け、舌をできるだけ前に突き出します。5秒程度キープします。
- 舌を口の中に引っ込め、できるだけ喉の奥に引きつけるようにします。5秒程度キープします。
- これを5回繰り返します。
- 期待される効果: 舌の筋肉や口腔周囲の筋肉に働きかけます。唾液腺への刺激や、嚥下機能の維持・向上につながる可能性があります。
運動を継続するためのヒント
これらの表情筋フィットネスは、一度に全てを行う必要はありません。ご自身の体調やペースに合わせて、できるものから、できる回数だけ行いましょう。
- テレビを見ながら、音楽を聴きながらなど、「ながら時間」に取り入れてみましょう。
- 朝起きた時や、食事の前後など、習慣化しやすいタイミングを決めるのも良い方法です。
- 難しく考えず、ゲーム感覚で楽しむ気持ちで取り組んでみましょう。
表情筋を意識して動かすことは、単に外見上の変化だけでなく、顔の機能維持や心の状態にも良い影響を与える可能性があります。座って安全にできるこのフィットネスを、日々の生活に取り入れて、笑顔でイキイキとした毎日を送りましょう。
継続が力になります。ご自身のペースで、ぜひお試しください。